一般財団法人日本ホテル教育センターは、「和食:日本人の伝統的な食文化」を世界無形遺産であると考え、その保全、次世代への継承のための取り組みに賛同し、和食検定を通じて日本食文化を保全、継承するための保護措置に取り組んでいます。また「日本食文化のユネスコ無形文化遺産化推進協議会」に参加登録し、和食の無形文化遺産登録を応援しています。
日本政府は日本食文化の無形文化遺産登録を目指し、2012年3月にユネスコに登録の提案を行いました。
世界でも自国の食に関する分野をユネスコの無形文化遺産として登録する動きが見られ、フランス美食術、地中海料理、メキシコ、トルコの伝統料理が社会的慣習として、すでに登録されています。
一方、日本食は多様で豊富な食材や食品、バランスのとれた食事構成、食事と年中行事、人生儀礼との結びつきなど特徴的な素晴らしい食文化が多くの国から高く評価されています。
日本食が無形文化遺産として認められることは、世界の文化的多様性を豊かにすることにもなり大きな意義を持つことから、農林水産省による『日本食文化の世界遺産化プロジェクト』が発足しました。プロジェクトでは日本食文化の世界無形遺産登録に向けた検討会が開催され、日本食に造詣の深い各界の有識者が日本食文化を確立・浸透し、日本食の価値の回復・向上を図るため、日本食文化の世界無形遺産登録に向けた検討を行いました。
「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
無形文化遺産は2003年10月ユネスコ総会において採択、2006年4月に発効した『無形文化遺産の保護に関する条約(無形文化遺産保護条約)』に基づき登録されます。俗称では『世界無形文化遺産』と呼ばれており、日本は2004年6月、世界で3番目に締結しています。
一方、富士山の登録で話題になった『世界遺産』は、文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的として、『世界遺産条約(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)』がユネスコ総会において1972年採択、1975年発行されました。
世界遺産には国内17件目の登録となった「富士山」をはじめ、「法隆寺」や「平泉」のような有形の『文化遺産』、「知床」や「小笠原諸島」のような『自然遺産』 、文化遺産と自然遺産のそれぞれの登録基準の1項目以上が適用された『複合遺産』がありますが、『無形文化遺産』は社会的な慣習、知識、技術などが対象となります。日本の無形文化遺産には「能楽」「歌舞伎」などがあります。
H25.12.4
名称 | 記載年 |
---|---|
能楽(傑作宣言) | 平成20年記載 |
人形浄瑠璃文楽(傑作宣言) | 平成20年記載 |
歌舞伎(傑作宣言) | 平成20年記載 |
雅楽 | 平成21年記載 |
小千谷縮・越後上布 | 平成21年記載 |
石州半紙 | 平成21年記載 |
日立風流物【茨城】 | 平成21年記載 |
京都祇園祭の山鉾行事【京都】 | 平成21年記載 |
甑島のトシドン【鹿児島】 | 平成21年記載 |
奥能登のあえのこと【石川】 | 平成21年記載 |
早池峰神楽【岩手】 | 平成21年記載 |
秋保の田植踊【宮城】 | 平成21年記載 |
チャッキラコ【神奈川】 | 平成21年記載 |
大日堂舞楽【秋田】 | 平成21年記載 |
題目立【奈良】 | 平成21年記載 |
アイヌの古式舞踊【北海道】 | 平成21年記載 |
組踊 | 平成22年記載 |
結城紬 | 平成22年記載 |
壬生の花田植【広島】 | 平成23年記載 |
佐陀神能【島根】 | 平成23年記載 |
那智の田楽【和歌山】 | 平成24年記載 |
和食;日本人の伝統的な食文化 | 平成25年記載 |
日本ホテル教育センターでは、日本の食文化を正しく理解し、正しく伝えるための基礎知識の普及と、和の食文化を継承し発信していくために必要な専門知識と実務知識の理解度を測るために、和食検定を実施しています。
レストランや旅館での和のサービスに向けた教育機関がない中で和食を日本の文化として捉え、知っておきたい基本的な事柄をおもてなしの現場や日々の生活の中で生かしていけるようにとの思いから生まれました。
今世界が注目する和のおもてなしの更なるレベルアップを応援します。