いまMICEが注目されています。安倍首相が座長を務める「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」は、2016年3月に、MICE誘致を促進するために「官民連携の横断組織を構築し、オールジャパン体制で質の高いビジネス客を取り込む」ことを決定しました。この背景には、MICEが世界的な成長産業であり、まだ日本には十分な可能性があるという判断があります。また、政府は2020年までに訪日外国人数4000万人、2030年までに6000万人という目標を設定しました。実は、あまり報道されていませんが、政府は訪日客数だけでなく、質の高い消費をもたらす訪日客の誘致戦略を重視しています。まさにMICE誘致は、その戦略の中核となるものでもあるのです。
ところで、MICEとは何でしょうか。MとはMeetingのMで、企業が主催する様々な会議のことです。IはIncentiveの頭文字で、報奨旅行と訳されています。企業が成績優秀な従業員を招待して行う旅行や会議のことです。CはConventionの頭文字です。これは学会、協会、あるいは政府や国際機関が主催する会議のことです。EはExhibition/EventのEです。展示会やイベントのことです。
少し違う視点からMICEを見てみましょう。よく考えるとMICEには必ず主催者がいることがわかります。主催者とは、「事業目的を持つ企業あるいは団体」です。企業の事業目的とは普通は「企業の成長」です。例えば、優秀な人材の確保や売り上げ向上などは、企業の事業目的となりえます。また、学会などの団体にも事業目的があります。学会の事業目的には「会員の獲得」や「資金の獲得」なども含まれます。この「事業目的」に注目すると、MICEとは「主催者の事業目的を遂行するためのマーケティングツール」だとも言えます。ですからMICEビジネスを振興しようとする都市や、ホテルなどのサプライヤーは、主催者の事業目的とは何かを理解することが重要です。
次に、日本のMICEの市場について考えてみましょう。国の発表によれば、国際会議の経済効果は5905億円だそうです。ただしここでいう国際会議には、ホテルなどで多く開催されている50名未満の小規模のものや、企業が主催するもの、あるいは参加者が2か国からのものなどは含まれていません。これらを含めると、いわゆる「国際会議市場」はもっとずっと大きなマーケットであるのは間違いありません。国際会議は大型のものだけではありません。日本政府観光局の統計の対象となっている国際会議のうち約70%は参加者数300人以下のものですから、地方でも、大規模な宴会場がないホテルでも十分対応が可能です。さらにMICEは国際会議だけではありません。国内学会や研修会、日本人参加者だけの企業ミーティングやイベント、展示会など多彩です。いま観光庁はMICEの市場全体がどのくらいの規模なのかについて調査をしています。
観光政策の中でMICEが語られることが多いのですが、MICEは一般観光と違う性格があります。最大の違いは、一般観光の中心は消費者個人ですが、MICEでは主催者である企業や団体であることです。観光するのは消費者個人ですので、行き先を決めるのも個人です。旅行社が間に入ることがありますが、どこに行くのかを決めるのは最終的には消費者個人です。ところがMICEの開催地を決めるのは参加者などの消費者個人ではなくて主催者です。参加者には開催場所の決定権がありません。ですから地域やMICE施設やホテルなどがMICEを誘致しようと思ったら主催者に焦点を合わせなければなりません。観光客誘致とはマーケティング戦略が全然違うわけです。MICEビジネス獲得にはまず顧客が誰なのかを知ることが大事なのです。
MICE塾では経験豊富な実務家の講師陣による10か月にわたる講義やグループワークを通して、MICEビジネス獲得を目指すホテル、会議展示施設、都市/DMO/コンベンションビューロー、PCO/DMC/ミーティングプランナー、旅行エージェントをはじめとするすべてのMICEに係る方々がすぐに使える実戦的なノウハウの獲得を目指しています。MICEで差別化を目指す皆様のご参加をお待ちしています。
川島アソシエイツ 代表
VISIT JAPAN 大使
MICEコンサルタントとして40年に渡り国内外で活動。1995年~2001年、国際PCO協会主催の国際セミナー講師。観光庁、JNTO発行の国際会議関連の各種ハンドブック作成の助言、執筆、編集に携わる。JNTO主催「国際会議支援セミナー」講師を長年務める。MICE国際競争力強化小委員会委員。2009年、VISIT JAPAN 大使を拝命。2014年、第6回観光庁長官表彰受賞。2015年、観光庁MICEブランディング有識者検討委員会座長、内閣府「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」有識者委員など歴任。
株式会社プリンスホテル 常務執行役員
2014年3月まで、品川・高輪地区のすべてのプリンスホテルを統括する総支配人として、いち早くマイスビジネスに取り組み、社内体制を構築。世の中に「PRINCE TOKYO MICE CITY」を認知させることに成功。プリンスホテルのMr.マイスとして、高輪・品川エリアをマイスで千客万来の都市にして、その活気を全国に広げニッポンを元気にするために尽力。
MICE Plus Institute 代表
MPI Japan Chapter 事務局
浅イズムを継承する故浅井新介氏の永遠のパートナー。世界的なミーティングプランナー組織である"MPI Japan Chapter"の事務局を取り仕切り、会員から慕われるママ的存在でもある。
会社名 | 氏名 | タイトル | |
---|---|---|---|
最優秀論文 | TAKAMI HOLDINGS株式会社 | 小泉 夏帆 | |
優秀論文 | 株式会社プリンスホテル | 佐藤 隆雄 | 地域連携によるMICE誘致 |
優秀論文 | 株式会社パシフィックアートセンター | 奥田 健雄 | 小規模MICEをターゲットにした中小規模のコンベンション系ホール施設の設置と運営
- 複合施設内の平土間ホールを中心に考慮すべき点について -
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会社名 | 氏名 | |
---|---|---|
優秀プレゼンテーション | TAKAMI HOLDINGS株式会社 | 簗田 真樹 |
優秀プレゼンテーション | 株式会社プリンスホテル | 古川 大介 |
優秀プレゼンテーション | ワイズ・グローバル・インターセクション | 菅 優子 |
川島アソシエイツ 代表
VISIT JAPAN 大使
MICEコンサルタントとして40年に渡り国内外で活動。1995年~2001年、国際PCO協会主催の国際セミナー講師。観光庁、JNTO発行の国際会議関連の各種ハンドブック作成の助言、執筆、編集に携わる。JNTO主催「国際会議支援セミナー」講師を長年務める。MICE国際競争力強化小委員会委員。2009年、VISIT JAPAN 大使を拝命。2014年、第6回観光庁長官表彰受賞。2015年、観光庁MICEブランディング有識者検討委員会座長、内閣府「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」有識者委員など歴任。
森ビル株式会社 アカデミーヒルズ事業部 業務推進グループ 課長
Destination Marketing Organiation(DMO)六本木 事務局長
1987年森ビル株式会社入社。1996年より、現在の部署にて自主イベントの企画運営、貸会議室事業の立上、六本木アカデミーヒルズ、虎ノ門ヒルズフォーラム等の施設設計および運営の計画業務に携わる。2014年10月にMICE誘致による地域活性化を目指し、赤坂・麻布・六本木地域の民間企業とともに、Destination Marketing Organiation(DMO)六本木を設立し、現在同団体の事務局長を務める。
株式会社コレリィアンドアトラクト 代表取締役
株式会社DMC天童温泉 取締役
ホテル・旅館専門WEBコンサルタント
株式会社ジェイティービーにてMICE法人営業を担当。入社4年目でグループリーダーに就任(当時最年少)。3年連続トップセールス表彰を受賞。2009年5月株式会社コレリィアンドアトラクト設立 代表取締役就任。宿屋大学 講師、観光庁「ニューツーリズム普及促進モデル事業」有識者委員、全日本SEO協会認定SEO・WEBコンサルタント 宣伝会議認定 デジタルマーケティングプロデューサー、2017年 第6期観光経営TOPセミナー修了。
観光経済新聞「ウェブで稼ぐ」コラム執筆(http://www.collely-at.com)
著書「ホテル・旅館のウェブマーケティング実践術80」
MPI Japan Chapter 名誉会長 / 株式会社Finesse Hospitality Management 代表取締役
京都 新・都ホテルの宿泊部門に5年間勤務後、フォーシーズンズホテル椿山荘にて料飲部門、国際セールスを担当、フォーシーズンズホテル&リゾート勤務を経て、2000年からバンクオブアメリカ・メリルリンチのミーティングプランナーとして勤務。
2017年(株)Finesse Hospitality Management を設立。イベントプランニングやコンサルティング、ユニークベニューの開発支援等を手掛けている。ホテルサプライヤーとして、また企業のミーティングプランナーとしても豊富な経験と実績を持ち合わせており、両方の業務を熟知したきめ細やかかつグローバルな視点を持ったイベントプランニングに定評がある。同時にMICE関連の勉強会や交流会、講演なども積極的に行っている。
東京都MICE連携推進協議会委員、観光庁MICEブランディング検討委員会委員等を歴任。
2017年 観光庁長官表彰受賞